私たちが最初にAIを現場へ載せたのは、印刷会社の生産管理でした。属人化していた判断を言語化し、誰が担当しても同じ水準で回る仕組みへ。そしていま、その型を同業の印刷会社2社目へ横展開しています。印刷業は、私たちが最も深く入っている業種です。

Why Printing

同業の2社目は、
立ち上がりが違う。

印刷業は、多品種小ロット化・短納期化がとりわけ強く進んだ業種です。1件あたりの単価は下がる一方、案件数と仕様のばらつきは増える。結果として、工程を組む判断の難易度だけが上がり続けています。

この判断は、たいてい特定のベテランの頭の中にあります。「この紙とこの加工なら、あの機械のこの時間帯」「この客なら、この納期は詰められる」——どこにも書かれていない判断です。書かれていないものは、引き継げないし、AIにも渡せません。

私たちは1社目で、この判断を言葉にするところから始めました。そして2社目では、同じ論点を最初から突けます。業種を絞って深く入るほど、次の会社への提案は速く、正確になる。印刷業は、その構造が実際に効いている業種です。

Problems

印刷会社でよく詰まっている、
3つの場所

私たちが実際に現場で見てきた詰まり方です。

01
生産管理が、特定のベテランから離れられない

機械の空き、紙の在庫、加工の外注、客ごとの納期の詰め方。これらを同時に見て工程を組める人が、社内に1人か2人しかいない。その人が休むと会社が止まる——印刷会社で最も多く聞く悩みです。システムを入れ替えても、判断そのものが言語化されていなければ解決しません。

02
見積と営業対応が、その都度ゼロから

仕様が少し違うだけで過去の見積が使えず、担当者が毎回計算し直している。過去案件という一番大きな資産が、検索できない形で眠っている状態です。ここはAIが最も効きやすい領域のひとつですが、そのためには過去データを読める形にする作業が要ります。

03
現場と事務所で、同じ情報を二度書いている

現場は紙やホワイトボード、事務所はExcel、営業は自分のメモ。同じ案件の情報が別々の場所に手で書かれ、食い違えば電話で確認する。この転記と確認の時間は、日報を集計する以上に大きいのが実際のところです。

Real Work

印刷業の現場で、
実際にやってきたこと

守秘のため社名は伏せ、取り組みの内容のみ記載しています。

01
印刷会社K社様 — 生産管理のベテラン依存を解消

属人化していた生産管理を、現場主導でAI活用型のシンプルな仕組みへ再構築しました。ベテランの判断基準をプロンプトとして言語化し、誰が担当しても同じ水準で運用できる体制へ。既存システムの入れ替えではなく、「判断の構造を変える」アプローチをとっています。

02
印刷会社様(2社目) — 構築した仕組みを同業へ横展開

K社で構築した生産管理の仕組みと研修プログラムを、同業の印刷会社へ展開中です。ヒアリングと初回研修を実施し、その会社の業務に合わせたカスタマイズを進めています。1社目の学習が効いて、論点の特定が速いのが2社目の利点です。

Where It Works

印刷会社の、から始めるか

全社一斉ではなく、詰まっている一点から始めます。着手することが多い領域です。

生産管理・工程の組み立て

印刷機の負荷と稼働率、用紙・資材の在庫と発注点、面付や後加工(断裁・製本)の外注の押さえ、客ごとの納期の優先順位。ベテランが担っている「考える仕事」を判断基準として言語化し、進行管理の状況を担当者が変わっても同じ水準で見られる状態へ。印刷業で実績のある中心領域です。

見積・過去案件の活用

過去の見積と仕様(部数・用紙・色数や特色・後加工)をAIが読める形に整え、似た案件を引き当てて下書きを作る。担当者は差分だけを確認する形へ。あわせて原価管理——見積の前提と、実際にかかった用紙代・損紙・外注費・人工を突き合わせ、どの仕様で利益が出ていないかを見えるようにします。解体工事の見積で同型の仕組みを構築しており、印刷の見積にも応用できます。

技術承継・作業手順の可視化

熟練者の作業動画や口頭説明から手順書を起こし、新人が読める形にする。「教える時間がないから育たない」の悪循環を断ち切ります。機械の立ち上げ、色の見当や紙の癖への対処、トラブル対応といった暗黙知を作業標準書に翻訳するところが特に効きます。担当できる機械を増やす多能工化の土台にもなります。

現場報告・情報共有

現場が入力しやすい形(スマホ・写真・音声)で報告を集め、事務所と営業に必要な形で届ける。作業日報、損紙(ヤレ)の発生、機械停止やトラブルの記録を集計し、二度書きと電話確認を減らします。PCが苦手な社員も置き去りにしない設計にします。

入稿・校正・品質記録

データ入稿の受け口でつまずく確認(フォントのアウトライン、画像解像度、裁ち落としや塗り足し、指定の色数との食い違い)を、チェック項目として言語化し、抜けを洗い出す。色校正のやり取りと校了の履歴、リピート案件の仕様の履歴を検索できる形で残す。刷り上がりの検査記録や、クレームが出たときの是正の報告書も下書きまでを担います。色の最終判断と校了の可否は、必ず人が行う前提で設計します。

Why Us

研修会社でも、システム会社でもない。
から現場に載る。

01
印刷業で、すでに2社目です

1社目で生産管理の仕組みを構築し、2社目へ横展開しています。「印刷会社の生産管理」という具体的な題材で手を動かした経験があるかどうかは、初回の打ち合わせの質から変わります。一般論ではなく、御社の工程の話ができます。

02
私たち自身が、AIで作る実装者です

研修だけを提供する会社は、ツールを作れません。システム会社は、現場に文化を根付かせる部分をやりません。私たちは自社でAIツール・業務システムを開発・運用している実装者であり、研修から実装、業務受託までを一本の線でつなぎます。

03
名古屋の会社なので、工場に行けます

本社は名古屋市中村区。愛知・岐阜・三重の工場へは実際に足を運び、現物・帳票・機械の動きを見ながら設計します。印刷の工程は現場を見ずに机上で設計すると必ず外れます。

FAQ

印刷会社のお客様からの
よくあるご質問

Q1
いま使っている生産管理システムを入れ替える必要がありますか?

いいえ。私たちのアプローチは「システムを入れ替える」のではなく「判断の構造を変える」ことです。既存システムは残したまま、その周辺で人が抱えている判断をAIに載せていく形から始めることが多いです。

Q2
工程を組んでいるベテランが、AIに反発しませんか?

ベテランの判断を否定するものではなく、その人の判断基準を資産として残す取り組みです。実際に、判断を言葉にする過程はベテラン本人と一緒に進めます。その方が中心にいないと、そもそも良い仕組みになりません。

Q3
過去の見積や案件データが整理されていませんが、大丈夫ですか?

全部を整えてから始める必要はありません。整備を待つと永遠に始まらないため、いま動いている業務の一部から載せ、動かしながら整えていく進め方をとります。

Q4
現場の社員がPCを苦手にしていますが大丈夫ですか?

問題ありません。全員がキーボードを打てる前提では設計しません。スマホでの写真送信や音声入力など、その現場で実際に続く形に業務ごと設計します。

Q5
同業に手の内を知られることになりませんか?

お客様の固有の情報・データ・ノウハウは他社に持ち出しません。横展開しているのは「生産管理の判断をどう言語化するか」といった進め方の型であり、各社の中身は別物として設計します。事例公開の際も社名は伏せています。

Q6
DTPやデザインそのものを、AIが作るようになるのですか?

そこは私たちの主戦場ではありません。デザインや組版は、印刷会社の腕そのものだと考えています。私たちが担うのは、その手前と後——入稿データの確認項目の言語化、過去の仕様や指示のやり取りを引き当てられるようにすること、修正指示や校正のやり取りの記録を残すことです。制作物そのものをAIに置き換える提案はしません。

Q7
入稿データのチェックや色校正の自動化はできますか?

範囲を分けてお答えします。入稿データの確認項目(フォント・解像度・裁ち落とし・色数など)を漏れなく洗い出す下書きは担えます。一方で、測色機器やカラーマネジメント、印刷機に組み込むインライン検査装置そのものは、計測機器メーカーの領域です。私たちが担当するのは、その検査や校正の結果を集計し、どの案件・どの機械で手戻りが多いかを傾向として見えるようにする部分です。色の最終判断と校了の可否は必ず人が行います。

Q8
小ロット・短納期・多品種の案件が多いのですが、それでも効きますか?

むしろそこが効きやすい形です。案件数が多いほど、見積の作り直し、進行の組み替え、確認の連絡といった一件あたりの手間が積み上がるためです。ただし効かせ方は逆で、案件を一気に自動化するのではなく、繰り返し発生している判断をひとつ選んで載せ、動くことを確かめてから範囲を広げます。

Get in Touch

まずは工場を、
見せてください。

「何がAIでできるのか分からない」段階で構いません。
現場を拝見して、AIで変えられる箇所と変えるべきでない箇所を切り分けてご提案します。

道具の先に、文化がある。
Beyond the Tool, Toward the Culture.