INSURANCE
保険代理店のためのAI導入支援|社内完結型という選択肢
保険代理店では、「AIを使いたいが、データを外に出せない」という壁が最初に立ちます。私たちは保険代理店様と、保険会社からの生成AI利用制限という制約のもとで、録音データを一切社外に出さない社内完結型の「意向確認チェッカー」を構築しています。規制が厳しい業界だからAIが使えない、とは考えていません。
制約は、AIを諦める理由ではなく、
設計を決める条件です。
保険代理店には、他の業種にはない条件があります。顧客の個人情報と健康状態を日常的に扱い、募集人の説明内容には法令上の要請があり、さらに保険会社側から生成AIの利用について制限が示されることがあります。一般的なクラウドAIサービスをそのまま使う、という選択肢が最初から取れないケースがあるということです。
ここで多くの会社が「うちの業界ではAIは無理」と結論します。しかし私たちは、この制約は「使えるかどうか」ではなく「どう作るか」を決める条件だと考えています。データを外に出さない構成にすればいい。そのために必要なのは、判断ではなく設計です。
私たちが実装者であることが、ここで効きます。既製のサービスを紹介するだけの立場では、「社外に出さない」という要件を満たす形は作れません。作れる側にいるからこそ、制約を前提にした構成を提案できます。
保険代理店でよく詰まっている、
3つの場所
私たちが実際にご相談を受けてきた詰まり方です。
顧客との会話の録音、健康状態の情報、契約内容。これらを外部のAIサービスに入力することが認められていないケースがあります。結果、世の中でAI活用が進むほど取り残される感覚だけが強くなる。ここは業務の問題ではなく、構成の問題です。
必要な説明が漏れていないか、意向に沿った提案になっているか。確認は募集人本人の記憶と、管理者の限られた時間に依存しています。件数が増えるほど全件は見きれず、かといって省けばリスクが残る。網羅性が求められるこの種のチェックは、本来AIが得意な領域です。
生成AIの研修を受けたが、自社では使えないツールの話だった。あるいは、使ってよい範囲が曖昧で誰も踏み出せない。「学ぶ」と「実際に使ってよい環境がある」が分断されているのが、規制のある業界で最も多い失敗です。
保険代理店様と、
いま構築していること
守秘のため社名は伏せています。現在は検証を進めている段階です。
保険会社からの生成AI利用制限という制約のもと、録音データを一切社外に出さない社内完結型のチェック環境を構築しています。顧客との会話内容から、意向確認として必要な要素が押さえられているかを確認する仕組みで、現在は検証を進めている段階です。
ツールの構築と全社向けのAI研修を並走させています。「使ってよい環境」と「使い方の理解」を同時に用意しなければ、どちらか一方だけでは業務は変わりません。規制の厳しい業界でも通用するAI活用の形を、お客様と一緒に探しています。
保険代理店の、どの業務から始めるか
扱うデータの機微さで、載せ方を変えます。着手することが多い領域です。
意向確認・説明内容のチェック
顧客との会話から、必要な要素が押さえられているかを確認する。社内完結型の構成で構築を進めている中心領域です。人が全件を聞き直す運用から、要確認箇所に絞って人が判断する運用へ。
社内完結型のAI環境づくり
データを社外に出さない構成そのものを設計・構築します。「何を外に出してよくて、何は出せないか」を業務単位で切り分けるところから始めるため、コンプライアンス部門と話せる形で進みます。
顧客対応記録・事務作業
面談メモの整理、社内報告の作成、書類の下書き。満期管理の一覧づくり、更改(継続手続き)の案内文の下書き、計上・保全(異動手続き)の転記、事故受付メモの確認項目の洗い出しといった日々の事務も、個人情報を含まない形に切り分けられれば通常のAI活用で十分に効果が出ます。まずここから着手するケースも多いです。
全社AI研修(規制前提)
一般的なAI研修ではなく、自社で使ってよい範囲を明確にした上での研修を行います。「これは入力してよい・これはだめ」が具体的に分かる状態にすることが、規制のある業界では最も重要です。
社内完結型のAIは、
実際どう作るのか。
保険代理店様との構築で、実際に踏んでいる手順です。検証を進めている段階のため、削減率などの数値は掲げていません。
最初にやるのは、ツールを選ぶことではありません。「AIを使う/使わない」の二択で考えるかぎり、答えはいつも「使えない」になります。そうではなく、業務を分解して、どのデータが社外に出せないのかを一つずつ決めていきます。顧客との会話の録音、健康状態、契約内容は出せない。社内規程の文面や一般的な商品知識の整理は出せる。この線引きが、そのまま構成を決めます。コンプライアンス部門と最初に合意しておくべき部分でもあります。
顧客との会話を扱う以上、最初の関門は文字起こしです。ここを外部の文字起こしサービスに投げた時点で、「社外に出さない」という前提はその一箇所で崩れます。だから文字起こしから社内で完結する構成にします。一般的なAI導入の記事があまり書かない部分ですが、規制のある業界では、ここを設計できるかどうかが実現できるかどうかを分けます。
「意向確認ができている」とは、具体的に何が満たされている状態か。これは会社ごとに違い、多くの場合ベテラン募集人と管理者の頭の中にあります。何を聞けていれば足りるのか、どの説明が抜けると後で問題になるのか。ヒアリングして文章にした内容が、そのままAIへの指示の中身になります。この作業は新人教育の材料としても使えます。属人化していた基準が、初めて形になるからです。
AIがやるのは、記録を読んで「この観点は触れられていないかもしれない」と挙げるところまでです。適否の判断と記録の確定は人が行います。目指しているのは、全件を管理者が聞き直す運用(実際には件数が増えれば成立しません)から、要確認として挙がった箇所に人の時間を集中させる運用へ移すことです。
AIに任せないと決めていること
意向把握や情報提供が適切だったかの最終判断、コンプライアンス上の可否判断。これらはAIの仕事ではありません。義務を負うのは代理店であり、AIではないからです。また、保険会社が提供するシステムや既存の代理店システムを置き換えるものでもありません。既存の仕組みの手前と後ろに残っている「聞き直す・書き写す・確認する時間」を短くするのがねらいです。
この骨格は保険業に限りません。ベテランの判断を言語化してAIに載せるという進め方は、製造業や建設・解体業でも同じです。私たちがどんな会社かは会社概要、研修とシステム構築の組み合わせ方はサービスのページ、用語の定義は用語集にまとめています。
研修会社でも、システム会社でもない。
両方やるから現場に載る。
データを外部に出さない構成は、ツールを紹介する立場では実現できません。私たちは自社でAIツール・業務システムを開発・運用している実装者であり、制約を前提にした構成そのものを設計・構築できます。
「学んだが使える環境がない」「環境はあるが使い方が分からない」——規制のある業界では、この分断が特に起きやすい。私たちは研修から実装、業務受託までを一本の線でつなぐため、この分断が起きません。
保険代理店のお客様からの
よくあるご質問
制限の内容によりますが、データを社外に出さない構成にすることで対応できる場合があります。実際にその前提で構築を進めているお客様がいらっしゃいます。まず「何が制限されているのか」を具体的に確認するところから始めます。
扱うデータの機微さで載せ方を分けます。社外に出せないものは社内完結型の構成で扱い、個人情報を含まない業務は通常の形で進める。「何を外に出してよいか」の切り分けを最初に行うのが私たちの進め方です。
いいえ。AIが行うのは要確認箇所の抽出であり、最終的な判断と責任は人が持つ設計にします。全件を人が見きれない状態から、人が見るべき箇所に集中できる状態へ変えるのが目的です。
はい。IT担当がいない中小企業を前提に設計しています。私たちが業務を伺って仕組みづくりから運用の定着まで担当します。
はい。「機微な情報を扱うためクラウドAIをそのまま使えない」という構造は、金融・医療・士業などに共通しています。制約の内容は業種ごとに異なるため、そこは個別に確認して設計します。
社内完結型の構成では、録音も文字起こしの結果も社外のサービスへ送りません。保管先は既存の社内環境に合わせて設計します。「どこに置くか」は後から変えるのが大変な設計事項なので、業務の線引きを行う最初の段階で一緒に決めます。
いいえ。義務を負うのは代理店であり、AIではありません。AIができるのは、記録から「触れられていない可能性のある観点」を挙げるところまでです。適切だったかどうかの判断と記録の確定は、必ず人が行う設計にします。ここを曖昧にしたまま導入すると、かえってリスクが増えます。
はい。むしろ全件を見きれない負担は、管理者の人数が少ない小規模の代理店ほど重くなります。ただし最初から全社に広げることはせず、機微さの低い事務作業から着手し、社内完結型が必要な領域へ順に広げる進め方をとります。
いいえ。保険会社が提供するシステムや既存の代理店システムを置き換えるものではありません。狙うのは、その既存の仕組みの手前と後ろに残っている「聞き直す・書き写す・確認する」作業の時間を短くすることです。入れ替えを前提にしないため、いま動いている業務フローを止めずに始められます。
規模や課題の深さによりますが、当社の進め方の目安は社員教育の段階が1〜2ヶ月、実業務への組み込みが2〜3ヶ月、仕組みとして定着させる段階が3〜6ヶ月です。保険代理店の場合は、この手前に「何を社外に出さないか」の線引きを確認する時間を取ります。ここを飛ばすと後から設計をやり直すことになるため、最初に時間をかける前提で計画します。
使えます。ただし任せる範囲を区切ります。AIが担当するのは、満期一覧から対象契約を並べ、前年からの変更点を整理し、案内文のたたき台を作り、連絡の優先順位を並べ替えるところまでです。補償内容や保険料といった数字は、必ず代理店システムや証券の原本と突き合わせて人が確認します。顧客へ出す文面を確定させるのは人、という設計を崩しません。満期件数が多い月ほど下書きの効果は大きくなりますが、確認工程を省く使い方は勧めていません。
効きますが、業務によって効き方が違います。計上や保全(住所変更・車両入替などの異動手続き)は「書き写す・転記する」作業が中心なので、申込書類や証券から必要項目を拾って一覧に整える形が向きます。一方事故受付は、聞き漏らしが後の対応で響くため、受付メモに対して「触れられていない確認項目」を挙げさせる使い方になります。いずれも、顧客対応そのものをAIに代行させるものではありません。どの事務から手を付けるかは、件数の多さと機微さの低さの両方で決めます。
「うちは使えない」の中身を、一緒に確かめませんか。
何が制限されていて、何なら可能なのか。そこを具体的に切り分けるところから、無料でご相談を承ります。
道具の先に、文化がある。
Beyond the Tool, Toward the Culture.